罪を憎んで人を憎まず

罪を憎んで人を憎まずの解説

【読み方】
つみをにくんでひとをにくまず

【意味】
罪を憎んで人を憎まずとは、犯した罪は憎むべきだが、罪を犯した人まで憎んではいけないという教え。

【注釈・由来】
犯した罪は悪いから罰するべきだが、罪を犯すには事情もあったのだろうから、その人まで憎むのはよくないということ。
『孔叢子』刑論にある孔子の言葉「古之聴訟者、悪其意、不悪其人(昔の裁判所では訴訟を取り裁くとき、罪人の心情は憎んだが人そのものは憎まなかった)」から。
「憎む」は「悪む」とも書く。
聖書(ヨハネ福音書8章)にも「罪を憎んでも人を憎まず」という言葉があり、孔子の「罪を憎んで人を憎まず」と同じ意味と解釈される。

【出典】
『孔叢子』刑論

【例文】
・あの時はずいぶんとひどいことをされたものだけど、罪を憎んで人を憎まずだ。
・この事件は犯人の育った環境が大きく影響している。罪を憎んで人を憎まずで、罪を犯さない環境づくりが大切だと思う。
・大事な娘を殺されて、罪を憎んで人を憎まずなどと言ってられません。

【注意】
「罪を憎んで人を恨まず」は誤り。

罪を憎んで人を憎まずの関連語

【類義語】
其の罪を憎んで其の人を憎まず

【対義語】

【英語のことわざ】
・Hate not the person but the vice.(人を憎まずに罪を憎め)

【索引語】
憎む

【分類】
人生・社会 > 不正
感情・心理 > 憎む・嫌う

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